英語以外の帰国生の武器

[更新日:2018年06月07日]

海外で勉強している学生のバックグラウンドは様々ですが、「帰国生」とひとくくりにされます。滞在歴も様々だし、日本人学校出身かインターナショナルスクール出身かでも大きく違うはずなのですが、どうしてでしょうか。長いこと彼ら彼女らと時間を共にしていると、いわゆる「帰国生」に求められている能力や経験は、その背景にかかわらず共通しているのではないかと考えるようになりました。

すぐに思いつく帰国生の強みは英語です。大学入試の配点も高く、就職にも有利に働く英語。できるに越したことはありません。英語を武器に数国を伸ばせば高校受験の帰国生入試で難関校に入れる…などは周知の事実ですね。

しかし英語だけしか帰国生には武器はないのでしょうか。そんなことはありませんよね。皆さん、考え方によってはもっと大事なものを得ることができるはずなのです。点数や偏差値では測れないかもしれませんが、実は受験にも役立つことだったりもしますよ。
英語を含む学力は重要です。でも今回は学力のほかに二つ、海外にいる間に身に着けてほしいことを紹介いたします。

一つ目は考え方の柔軟さです。
外国での生活は驚きの連続です。それに慣れてくると、今度は帰国したときに驚いたりします。これは国内で過ごしている人たちには味わえないことですね。様々な国籍や人種、そして文化に触れることで多様な考え方を知るチャンスがあるはずです。

このチャンスをポジティブに受け入れていくことで受験にも役立つのです。それは帰国生入試でもよくある面接と作文・小論文においてです。いずれも帰国生としての経験や滞在国の紹介が王道の質問ですが、そこで貴重な経験が確実に活きてきます。幸いにも香港は治安もよく、いろんな経験が安全にできる街です。ネタはそこら中に転がっているはずですよ。

二つ目は家族のつながりです。
日本にいる時よりも家族のつながりが強くなる傾向があるようです。特に来たばかりの時は知り合いも少なく、休みの日に一緒に出掛けたりする御家庭も多いのではないでしょうか。それが受験とどう関係があるのか…という質問が聞こえてきそうですが、これも実は関係ありだと思っています。

何よりもまず、海外に駐在されていたり、海外で独立して頑張っているご両親は私立の学校にとってとても魅力的だと思いませんか。経済的にも能力的にもです。そんなご家族と一緒に貴重な経験をたくさんしている生徒…これは欲しいはずですね。

以上二つ、いかがでしょうか。勉強はもちろん大事です。しかし、折角香港にいるのですから様々な体験をされることもお勧めします。貴重な経験はきっと将来の糧になるはずです。是非はともかく、今後の大学入試は知識偏重から思考力・判断力・表現力・主体性を重んじるシステムになっていくことは決定しています。これら重視される力は柔軟な考え方をもとにしていると思いませんか。

帰国生は今後求められていく人材の原石だと思っています。

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